若手育成研究所 安心して質問できる心理的安全性の高いチームの作り方

安心して質問できる心理的安全性の高いチームの作り方

「こんな初歩的なことを聞いて、呆れられないだろうか」
「忙しそうな先輩の手を止めてしまうのが申し訳ない」
多くの新人プログラマーが、このような不安を抱えながら仕事をしています。質問ができない環境は、新人が一人で問題を抱え込み、結果的にタスクの遅延や重大なミスの原因となるだけでなく、チーム全体の生産性を著しく低下させます。
この問題を解決する鍵が「心理的安全性」です。心理的安全性とは、チームの誰もが自分の意見や素朴な疑問、あるいは失敗を恐れることなく、安心して発言できる状態を指します。

このような文化を醸成するために、リーダーや先輩社員が果たすべき役割は非常に大きいと言えます。
まずは、リーダー自らが完璧ではない姿を見せることが重要です。例えば、「私も昔この部分でハマった経験があるんだ」と自身の失敗談を共有したり、「その視点はなかった、教えてくれてありがとう」と新人の意見を積極的に受け入れたりする姿勢が、チームの空気を作ります。
また、どんな質問でも歓迎するというメッセージを明確に伝えることも大切です。「良い質問だね」の一言が、新人の次の質問へのハードルを大きく下げます。
日々の朝会や雑談の時間、あるいは1on1ミーティングなどを活用し、業務の話だけでなく、気軽なコミュニケーションが生まれる場を意識的に作ることも効果的です。

失敗は非難の対象ではなく、チーム全体の学びの機会であるという共通認識を育むこと。それこそが、新人が持つポテンシャルを最大限に引き出し、自走できるエンジニアへと成長するための不可欠な土壌となるのです。